父親は離れても父親
今週のお題「おとうさん」
あえて、ここでは彼氏のことを書いてみる。
私の彼氏(付き合って1年、同棲中)は、43歳バツイチで、20歳と17歳くらいの子供がいるらしい。
彼とはネットの出会いアプリで知り合いになった。
我ながら今時の出会いだと思う。
最初は「結婚歴なし」とプロフィールに書いていたが、付き合う前に素直に
「実はバツイチで子供がいる。結婚はしてもいいけど、もう子供は体力的にも金銭的にも育てるのもきつい。それでも俺と付き合ってくれる?」
ときかれたので、もはや今更、子育てもなぁという年だし、仕事好きだし、彼は43歳にしては見た目も割とイケメンで手放すのももったいないし(笑)、趣味も興味度合いが高かったので、楽しく生きられるならそれでいいかと、わりとすんなりOKを出した。
私自身が自由人で、40過ぎて子育てに勤しんでる姿もあまり想像ができなかったので、ある意味割り切りができて良かったとも思う。
そんなこんなで私は人生でのおかあさん経験を諦めたが、
彼は紛れもなく「おとうさん」の経験をしてきた人なのだ。
5年くらい前に離婚したので、元奥様に親権があり、養育費とかも払っていないそうなので、もはや父親としての責務はあまりないようだが、
それでも、彼を見ていると、親はいつまでたっても親なのかなと思うことがある。
彼がそれを口にすることはないが、人間の記憶なんて簡単に消えるものではないだろう。
特に苦労した経験は人一倍思い出すはずだ。
子育てなんて、自分の人生をある意味人に捧げるみたいなもんだから、相当な苦労だったと思うし、私にはそれをする覚悟はない。
テレビを見ていると、ドラマや、CMなどで「子供と父親」というようなシチュエーションがよく流れる。
だいたい幸せそうな家族の光景だ。
そんな光景は正直、残酷だと感じることもある。
彼は黙って特に何も言葉を発することはないし、何を思ってるのかは知らない。
(もともとすごく無口で感情を露わにしないのだが。)
個人的には彼に対して、昔を振り返っていないか、戻りたいとか思っていないか、不安な気持ちを覚えてしまうことだってある。
多分これは私のヤキモチという感情からくるものだろう。
少なくとも彼はお父さんだった。
子供の話も聞いたことがあるし、実際、会いたいと思うことはあると言っていた。
素直な感想を教えてくれるのは信頼されている証だと思う。
子供は、本当の血縁だ。
嫁よりも絆は強いと思う。
なにより、私にその代わりを勤めることはできない。
そもそも代わりになるわけがないし、これは変えられない事実なのだ。
だから、正直、不安な感情を完全に捨て去ることは難しい。
私がなにか彼に与えられることはないかを考えてしまうことだってある。
親というのはいつまでたっても変わらない。
そして、いくら再婚して別の父親ができたとしても、たった一人の血の繋がった親であることに変わりない。
それはもはや事実として受け止めるしかない。
私はヤキモチ焼きなところがあるから、わかっていて、もともと既婚歴のある人は少し避けていた。
でも、彼に出会い、彼を選んだのにはなんらかの理由があって、沢山の人の中で彼とともに過ごそうと思ったのには、きっとそこに尊い理由が存在しているからなのだろう。
だから、彼がおとうさんだったこと、彼の人生の経験を全て含めて、私は彼を受け入れ、彼ともに人生を歩んで、ステキな未来を作ればいいのだと、ヤキモチにプラスの感情を上書きをしている。
時より、わがままも言いたい。
私なりに好きだと伝え続けようと思っている。
彼が私を選んでくれたことにも感謝したい。
そんな感じで、結果ただの惚気話に落ち着いてしまったが…、親があって人は生を与えられているわけだから、それを否定してはいけないなぁと思うのだった。